花崗岩のスラブ + マルチピッチ入門
晴れていれば冬でもTシャツで登れる日当たり良好の岩場ですが、この日は風こそ無いものの終日曇天で寒い一日となりました。
まずは、花崗岩のスラブを登るための基礎テクニックを説明します。初級者に良くあるパターンとして、ハンドホールドを求めて手を上げていくと身体が伸びきってしまい、つま先の接地面積と摩擦力が限界点を超えてスリップ→フォールとなることがあります。
スラブクライミングではフットホールドの真上に重心を置き、踏み出した足に重心を移動することがムーブの基本となります。ジムでは練習することが難しい動きなので、岩場で実践あるのみです。
2本のルートをTr.(トップロープ)で登って少し花崗岩に慣れたところで、2ピッチのルートに取り掛かります。
極めて重要なシステムの理解
マルチピッチ・クライミングのシステムについては、地面で説明して間違いのないようしっかり理解してもらいます。特にセルフビレイ、セカンドのビレイ、懸垂下降のやり方と手順については念入りにシミュレーションした後、クライミング開始。
実際にピッチを区切ってみると分かりますが、ロープの賢い受け渡し方法や次のピッチの準備など様々なチップス(ノウハウ)があり、これらを理由も含めて丁寧に指導させていだたきました。
終了点は稜線上のトレイルになっていて、甲府の街並みを見下ろす素晴らしい展望がここのご褒美です。散歩中のカップルが足元の岩陰から現れた私に「ギョッ」と驚いた様子でした(笑)
リード&フォローで理解を深める
続いては岩塔状の無名ルート(5.10a)をリード&フォローでトライ。所々にムーブが必要なパートがありますが、普段からジムでボルダリングをされている皆さんは突破力があり、見事に完登できました。ルートは岩の弱点をたくみに突いた素晴らしい内容で、何度登っても楽しい傑作だと思います。最後、Dさんは傾斜の強い5.10cのルートでしっかり前腕を追い込んで講習終了となりました。
甲府白山はスラブ主体ではありますが、5.8~5.10aくらいのクラックルートもありますので、生徒さんからリクエストがあればオールナチュラル・プロテクションでマルチピッチ・クライミングを体験していただくことも可能です。一度ご参加された方もぜひ違うルートにチャレンジしたり、違う楽しみ方をしてもらいたいと思います。
ちなみに、マルチピッチ・クライミングのレッスンは石和店でも承っております。是非プライベートレッスンを活用ください。
- エリア : 甲府白山
- 期日 : 1月17日(日)
- 受講者人数 : 3名
- インストラクター 山森政之(記)